連泊で巡るポルトガルの美しい町や村12日間の旅
 <2013.3.5(火)~3.16(木)・ユーラシア旅行社>

    ~3月8日(金)旅行4日目   雨~






                                  No.7


 ◆ エストレマドゥーラとリバテージョ地方の修道院の町トマール
   (Tomar)


 
<トマールの修道院> 
 


  〇 まず、 エヴォラの朝から

 昨夜から雨がふっています。
 さて、いつもの(・・・の朝)ホテルの評価ですが、このポサーダ(国営ホテル)には2連泊
ですから申し上げることは5ページの通りです。

 次に、出発までの予定ですが、モーニングコールが6時45分、朝食が7時30分、スーツケ
ースの搬出が7時30分、ホテル出発が8時15分となっています。
 早速、楽しみな朝食をご覧ください!といいたいところですが、これも昨日と同じですから省
力します。

 ということで、予定通り8時15分にホテルを出発しました。
 ここで出発直後の小生の独り言。

 ① 泣き出しそうな雨模様の天気。
 ② トマールまで3時間のバスの旅。

 次の独り言はバスが出発した15分後ぐらいのものですから、ここから写真を見ながら説明を
いたします。



 <丸い交差点> 

  <コルクの樹木が続く丘陵地帯> 

 ③ 丘陵地帯が続く。
   左上の丸い交差点は、ホテル出発直後に差し掛かった光景です。こういう交差点を何と呼
  ぶのでしょうか?
   小生が住んでいる街にも最近、初めて整備されましたので、通ってみましたが、信号待ち
  する必要がなく、イライラせず快適です。
   右上の写真は出発から15分後ぐらいの丘陵地帯の様子です。

 ④ 9時ごろ居眠りから目が覚めると、小降りになっていた。
 ⑤ 9時30分ごろには雲に切れ間が出て明るくなってきた。
 ⑥ その後、9時40分ごろトイレ休憩。

 などとメモしましたが、要は、天気が気になっていたという話です。


  <9時30分ごろの空模様>

  <トイレ休憩の売店にて> 

  〇 トマール到着

 トイレ休憩の売店を10時00分に出発して11時過ぎにこの日の最初の観光地であるトマー
ルに到着しました。
 誰かさんの心掛けが悪いのでしょうか?トマールでも小雨が降っていました。


<トマールちょこっとガイド>

 トマール(Tomar)は、ポルトガルのリバテージュ州サンタレン県に属する都市で、地図
で見るとポルトガルのほぼ中央、ナバオン川の麓に広がる面積351㎢、人口約4万人の町であ
る。ユネスコの世界遺産に登録されているキリスト教修道院やシナゴーグなどの歴史遺産、4年
ごとに開催されるタブレイロスの祭りで有名である。

 この地に修道院が創建されたのは、12世紀のことで、1147年にサンタレンの戦いに勝利
し、レコンキスタに貢献した
テンプル騎士団※にアフォンソ1世がその恩賞として土地を与えた
のがその起源とされる。
 テンプル騎士団が弾圧された14世紀以降はキリスト騎士団に受け継がれ、当時団長を務めて
いたエンリケ航海王子は、その豊かな財力によってポルトガルを大航海時代へと導いた。


 ※ テンプル騎士団
   中世ヨーロッパで活躍した騎士修道会(正式名称は「キリストとソロモン神殿の貧しき戦
  友たち」)である。
   十字軍活動以降、
構成員たちが武器を持って戦闘にも従事するいくつかの騎士修道会が誕
  生したが、テンプル騎士団はその中でも最も有名なものである。




 <トマール近郊の街並> 

  <トマールにも 水道橋?!>

 左の写真は、トマール修道院到着15分ぐらい前の光景で、また、右の写真は、同じく5分前
ぐらいの光景ですが、初日にバスから見えた水管橋の続きのような光景でした。
 オマールは、リスボンから直線で100㎞強の距離ですから、写真の橋は、もしかしたら18
世紀建造のアグアス・リプレスという橋の続きかも知れませんね。

 こうした景色を眺めていましたら、間もなく修道院の城壁のような入口に到着しました。



  <キリスト教修道院> 

  <修道院の壁の門> 

 それにしてもお天気が悪いとはいえ、トマール修道院を包む茶色の壁は美しくて、お陰でとて
も素晴らしい写真が撮れました。



  <修道院の城壁>

  <中の門>

  <修道院の建物周辺>

  <建物の階段に向かう>

 ちょこっとガイドでもふれたが、キリスト教修道院のはじまりは、1160年にテンプル騎士
団によって建設が開始され、12世紀の後半には、ポルトガルにおけるテンプル騎士団の本部の
役割を果たしたそうです。
 また、写真の城壁のような茶色の壁は、復興したばかりのポルトガル王国のムーア人への防波
堤の役割を果たしていたといいますから、城塞といった方が適切なのかもしれません。

 教会全体が黒光り?がして雰囲気がありますよね!
 私たちは、正面に見える修道院の円堂に向かったのですが、修道院の入口付近から見る光景に
雰囲気に圧倒されてしまいした。
 そのため、カメラのシャッターが勝手に動きまくりました。


 <キリスト教修道院の円堂> 

  <同じく入口方向から>

 そして、階段を上ったところにある広場から右写真の入口や左右の光景をカメラに収めたので
す。
 それよりも修道院の中が見たい?!もちろん、中もご覧いただきますが、勉強不足で説明でき
ないこともありますで、たっぷり撮影した外の様子をご覧いただきましょう!(誤魔化すな!)



  <広場から入口方向>

  <広場から右方向> 

  <広場から左方向>

  <広場と修道院入口>

 入口付近でウロウロしているだけで、中に入る様子がない?
 そうなのです。これで、「さようなら!」といいたいところですが、大丈夫です。頼りない旅
行者ですが、まず、入場した南門(Portal Sul)からお話ししましょう。


 この南門は、リスボンのジェロニモス修道院を
手がけたスペイン人建築家ジョアン・デ・カステ
ーリョという人が1515年に建造したものだそ
うです。
 スペインのサラマンカで生まれたプラテレスコ
という様式で装飾されているそうです。
 プラテレスコというのは、銀細工のことのよう
ですが、だから建物全体が黒く変色しているので
しょうか?
 でも、中央の彫刻は美しい金色に輝ていると見
えてしまうのですが・・。

 さて、この入り口を入ると、右側にチケット売
り場があります。
 そして、見学の順路は、東側の「墓の回廊」と
「沐浴の回廊」からです。


     <彫刻が印象的な入口>

「墓の回廊(Claustro do Cemiterio)」と「沐浴の回廊(Claust
ro da Lavagem)」は、15世紀にエンリケ航海王子が増築した回廊です。


  <墓の回廊> 

  <回廊のアズレージョ>

 このうち、
「墓の回廊」は、騎士団の騎士と修道僧のために建設された墓所です。
 優美な2本の柱頭は、植物をモチーフに描写されています。また、壁には17世紀の改築され
た際に整備された植物や花の模様を描いたアズレージョ(タイル)があります。
 また、この回廊には、バスコ・ダ・ガマの弟ディオゴ・ダ・ガマの墓もあるそうです。

 次は、
「沐浴の回廊」ですが、墓の回廊からは、私たちのように団体の観光客が入口に集まっ
ている光景が見えました。


 <入口付近の観光客> 

  <沐浴の回廊>

 沐浴の回廊は、かつては貯水池があり、修道士たちが洗濯や沐浴を行う場所でした。
 この回廊から東側を見下ろすと、エンリケ航海王子の住居だった宮殿の廃墟が見えます。


  <エンリケ航海王子の住居跡>

 <沐浴の回廊にもアズレージョ>

 また、この回廊の一角には、礼拝堂や聖具保管室がありました。
 この礼拝堂は、アントニオ・ポルトカレイロ(Antonio Portocarreiro
)という方の奥さんと子孫が1626年に建てたもので、聖母マリアとキリストの生涯を描いた
美しいアズレージョがありました。
 聖具保管室は、16世紀の終わりごろの完成だそうですが、天井にはテンプル騎士団の象徴で
ある十文字模様が描かれています。


 <礼拝堂のアズレージョ>

  <聖具保管室>

 次は、
「テンプル騎士団聖堂」ですが、この聖堂は、エルサレムの聖墳墓教会に倣って12世
紀後半に建てられたビザンチン風ロマネスク様式の建築物です。16角形の円堂になっているの
が特徴で、厳かな雰囲気を醸し出していました。


  <テンプル騎士団聖堂>
 
  <聖堂入口の壁画>

 などと言ってますが、小生は、「ビザンチン風ロマネスク様式」がどのようなものかサッパリ
分かりません。
 あまりの美しさに圧倒される!はずですが、暗いこともあり、また、撮影に夢中で自分の目に
焼き付けることができませんでした。

 次は、テンプル騎士団聖堂の隣にある16世紀建立の
「キリスト騎士団聖堂」ですが、見落と
してしまい撮影していませんでした。
 この聖堂の西側にある外壁には、「マヌエル様式の窓」があり、「サンタ・バルバラの回廊」
から見ることができます。

 次に見学したのは、「ジョアン3世の回廊」ともいわれる
「主回廊」です。ジョアン3世の時
代16世紀に南門を手がけたジョアン・デ・カステーリョによって建造された回廊です。
 スペイン王フェリペ2世は、ここでポルトガル王フィリペ1世として戴冠式を行っています。



 《主回廊に向かう通路》 

  《主回廊と中庭の噴水》 

 さて、話が前後しましたが、次にキリスト騎士団聖堂の西壁にある「マヌエル様式の窓」の見
学に向かいました。ここは、主回廊の北側にある
「サンタ・バルバラの回廊」でしょうか?


  《マヌエル様式の窓》

 《マヌエル様式の窓を見学する人々》 

 《「マヌエル様式の窓」の上部》 

 《「マヌエル様式の窓」の下部》

 マヌエル様式の窓は、「上部にキリスト騎士団のマルタ十字と国の紋章、さらにロープ、鎖、
サンゴといった大航海時代を象徴するモチーフが刻まれ、世界に向かって躍進した当時のポルト
ガルを彷彿とさせる。」そうです。
 小生の感想?「何だろうか?このおかしなものは!」といったところです。

 さぁ!これでトマールのキリスト教修道院の見学終了!ですが、最後にもう一度マヌエル様式
の窓とサンタ・バルバラ回廊の中庭と思しき写真をご覧いただきましょう。



 《マヌエル様式の窓と周辺の様子》 

  《サンタ・バルバラ回廊の中庭》

 トマールのキリスト教修道院見学後は、本日の昼食です。
 場所は、トマールの「O Picadeiro(ピカデイロ)」というレストランです。
 後ほど、ネットで調べたところによると、「伝統的なポルトガル料理が大変おすすめ」となっ
ていますが、87軒中62位ですから評価は高くないようです。



 《レストラン O Picadeiro》
 

 さて、実際はどうだったのでしょうか?!左下の「鴨ご飯のオーブン焼き」が伝統的なポルト
ガル料理ですが、半分以上頂いてからの撮影となってしまいました。
 このチャーハンのようなご飯は、それだけ美味しい(日本人にあっている)ということです。
 また、パンにつけたニンニク風味のドレッシング、野菜にかけたオリーブオイルとバルサミコ
酢のドレッシングが「美味」、果物も甘くなく「美味」と好評価でした。








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 このページ(No.7)は、エストレマドゥーラ・リバテージョ地方のトマールを掲載しています。