そして、この日は、紅い砂岩と彫刻が美しいバンテアイ・スレイへ向かったのである。
 バンテアイ・スレイは、967年に王の師であるヤジャニャヴァラーハによって建てられたヒンドゥー教の寺院であるとされています。
 発見は、1914年であるが、フランスの作家がここにある女神像を盗み出そうとするほど魅力的な寺院であるといわれています。
 アンコール遺跡群から約35キロ離れていますので、バスに揺られての旅となりました。
 それにしても、舗装が十分ではなく、お尻が痛くなるほど上下に揺れましたが、不思議なものでそこが良かったのかも知れません。
 車から眺める景色は、熱帯の樹木が道の両側に広がっており、その中に民家が点在している感じである。
 しかし、日本の田畑と住宅が点在する状況とは、全く違うものである。
 樹木は高くなく、密度も濃くないが、まるで林みたいな場所に高床式の住宅が並んでいるのである。
 もちろん、私達が見るものは、道路沿いに限定されており、そこには生活があることから、開発された自然環境であると思うので、未開の自然が残されたところでは、タ・ブロームで驚いたような大木が生い茂る熱帯の密林を形成しているのかも知れません。


   <高床式の住宅>
 やがて、バスは、バンテアイ・スレイに到着したのであるが、第一印象は、小さいお寺であると感じたことである。
 まず、その正面の写真をご覧いただきましょう。
 
     ミニチュアのような入口  




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