<Portugal>
 連泊で巡るポルトガルの美しい町
や村12日間の旅

 <2013.3.5(火)~3.16(木)・ユーラシア旅行社>

    ~3月14日(木)旅行10日目  快晴~ 






                                  No.19


   リスボン市内観光(リビイラ市場、国立古美術館)

    ▲ リスボンの朝

 旅行9日目の朝にも申し上げましたが、ポルトガルの旅が本当に最終版に差し掛かってきました。


  ≪朝日が眩しいドン・ペドロ≫    
 宿泊しているホテル、ドン・ペドロには、12日からお世話になっていますので、恒例の朝食やホテルの評価などは避けたいところですが、どうしてもご覧いただきたい場合にはP17をご覧くださいませ!
 などと言ってますが、皆さんにホテルの外観を是非ともご覧いただきたいと小生の旅の虫が囁いています。
 さて、本日の予定は、「終日、自由時間」になっていますが、右も左も分からない二人ですので、Nさんに「おんぶに抱っこ」ですね。


≪美味しそうな朝食≫

 そのNさんのメモには、「みなさま思い思いのフリータイムをお過ごしいただきました。それにしても、リスボンは、石畳+坂の多い街ですので、歩き疲れましたね。」とのコメントがありました。
 この文章を読みますと、Nさんの好人物ぶりが窺えるコメントですが、本当はほとんどの皆さんが「Nさんの案内でリスボン市内を見学した」ということであります。

 さて、その食事の後のNさんの案内による観光ですが、10時頃にホテルを出発となっています。
 まず、最初の見学先は、ホテルから南方向テージョ川沿いにある「リビイラ市場」です。
 移動手段は、地下鉄、バス、ケーブルカーですから24時間乗り放題のチケットを購入しておきました。

  ▲ リスボンの台所「リビイラ市場」


 まず、ホテル近くから711番のバスで「ボンバル侯爵広場」に向かいました。
 そして、公爵広場にある地下鉄の駅「マルケス・デ・ボンバル」から「バシャ・シャド(Baixa Chiado)駅」 で乗り換えて見学先の「リビイラ市場」の最寄り駅である「カイス・ド・ソドレ(Cais DO Sodre)駅」で下車しました。

  ≪ボンバル侯爵広場≫  

   ≪マルケス・デ・ボンバル駅≫

   ≪乗り換えのバシャ・シャド駅≫

   ≪カイス・ド・ソドレ駅≫

  ≪カイス・ド・ソドレ駅の改札口≫

 下車駅のカイス・ド・ソドレのホームには、その象徴でしょうか?壁にウサギのアズレージョが描かれていました。リビイラ市場はここから歩いて2~3分の距離です。

 市場は、2階建ての屋内市場で19世紀からリスボン市民の台所として親しまれてきたのですから市民生活の一端が垣間見られました。
 生鮮食品、日用雑貨などが売られていますが、私たちが訪問した次の年(2014年)の改築で時代に合ったフードコートもできたそうでです。
 有名シェフが出店し、レストランに行くより気軽!と地元民に人気のスポットになっていて連日、大勢の人で賑わっているとのことです。

 ということで、2013年の3月にはフードコートはなかったのですが、どのような市場なのか全体の様子をご覧ください。



   ≪市場の通路の様子≫

  ≪反対側の果物店≫

 写真の説明は不要だと思いますが、建物に入ってまず私たちの目に飛び込んできたのは、色鮮やかな生花などでした。
 その後、野菜や果物、魚、肉などが並んでいましたので、撮影してきました。



   ≪色鮮やかな生花≫

   ≪ピノキオ?のような人形≫

  ≪西洋なしなどの果物≫

  ≪ピーマンなどの野菜≫

  ≪いわし?などの魚≫

   ≪鶏、豚などの肉類≫

 市場の見学が終わりますと、市電(路面電車)⑱に乗って「国立古美術館」に向かいました。


  ≪市電の中の様子≫

   ≪国立古美術館に到着≫

  ▲ ポルトガルを代表する美術館「国立古美術館」

 国立古美術館(入場料5ユーロ)は、市場からテージョ川沿いに1㎞強離れた高台に建つ建物です。
 17世紀に建てられたジェネラス・ヴェルデス(緑の窓)宮殿を改築して1881年に開館した美術館で、12世紀の建国から19世紀までのポルトガル芸術ポッシュやメムリンクなどの北方絵画、日本の南蛮屏風など充実したコレクションを誇ります。

 地球の歩き方では、この美術館のガイドのページを設けていますが、4つの見学物を掲載しています。
 その4つとは、「聖アントニウスの誘惑」、「アルベルトの礼拝堂」、「南蛮屏風」、「聖ヴィセンテの衝立」となっています。

 美術館は、3階建てになっており、1階には入口から「サンタ・アルベルトの礼拝堂」、その対面に「家具」、奥に「装飾美術品」と「ヨーロッパ絵画」が並んでいます。
 そして、2階には日本人として大きな関心がある「南蛮屏風」、「陶器」などが、3階には「ポルトガル絵画」と「彫刻」が展示されています。

 私たちは、まず、2階の展示場に向かいました。いやー、驚きました。日本から渡った南蛮屏風が展示されていたからです。


  ≪日本らしい屏風≫

    ≪川遊び?の様子≫

 日本からポルトガル観光に来て、この美術館で「日本」に出会ったのですから感動ものでした。
 この南風屏風は、16世紀から17世紀の桃山文化の最高傑作といわれるもので狩野内膳の作だそうです。
 屏風には、インドのゴアで出港準備をする船と、それが長崎・平戸に到着した様子が対の屏風として描かれており、当時の様子を伝える貴重な資料となっています。
 

  ≪日本らしい風景≫

  ≪同じく船に乗っている≫

 突然現れた黒船と、日本人とはまったく異なる顔つきなどの容姿や服装のポルトガル人を見た当時の日本の人達はどんなに驚いたでしょうか?
 でも、もしかしたら、彼らポルトガル人も日本人がまるで異星人のように見えたのかも知れませんよ。
 それしても、この様子を正確に美しく描いている当時の日本美術に感動してしまいますね。


  ≪ポルトガル人などの様子≫

  ≪ポルトガル人の拡大写真≫

 2階には、屏風のほか陶器、金・銀の器も展示されていましたが、南蛮屏風のお陰で関心が薄れてしまいました。


    ≪陶器(中国製?)≫

  ≪壁のアズレージョ≫

 続いて、「ポルトガル絵画・彫刻」が展示されている3Fに向かいました。
 ここには、フランドル派のリアリズムに影響され、リスボン派を築いたポルトガル最大の巨匠ヌーノ・ゴンサルヴェスが描いたとされる(異説がある)「聖ヴィセンテの衝立」があります。



≪聖ヴィセンテの衝立≫ 

≪中央左の拡大写真≫

≪同じく中央右の写真≫

 この絵には、ポルトガルの守護聖人、聖ヴィセンテを中央に、右手前からアルフォンソ5世、ジョアン王子(後のジョアン2世)、エンリケ航海王子、左にイザベル王妃とその母親のアラゴン女王が描かれている(地球の歩き方)そうですが、小生には、これらの絵のどこに説明があった人物が描かれているのか、さっぱり分かりません。(左上の拡大写真にぴったり!?)

 なお、ウキペディアによると、上の説明は定説ではないそうです。
 ウキペディアでは、祭壇画の構図として次にように説明しています。

 
「聖ヴィセンテを中央に配する形で6つのパネルから成っている。パネルに向かって左から、修道僧のパネル、漁師のパネル、エンリケ航海王子のパネル、陸軍総司令官のパネル、騎士のパネル、聖遺物のパネルと命名される。

 なお、中央の聖人については、一般に聖ヴィセンテといわれているが、実はジョアン1世の末子で人質として死んだフェルナンド王子だという説、二人の服装が微妙に違っていることから、1147年にイスラム勢力からリスボンを奪回する時に殉教死したサン・クレスピンとサン・クリスピーノの兄弟聖人という説もある。」


≪エンリケ航海王子≫
 こういう説明を読んでいると、益々分からなくなってしまいますが、特に、エンリケ航海王子については、その肖像画を巡って「謎」が深まるばかりだそうです。

 エンリケ航海王子は、左から3番目のパネルの中央のヴィセンテ聖人の横に「鰐(わに)」の帽子を被っている人物だというのが定説だそうですが、右から2番目のパネル(騎士のパネル)の最前列で両手を合わせてひざまずいている人物だというのが有力視されているそうです。
 2番目の「騎士のパネル」の拡大写真がないのか!?という声が聞こえてきますが、ご勘弁ください。
 

 さて、「聖ヴィセンテの衝立」以外の絵画ですが、ポルトガルの絵画などがズラリと並んでいました。どなたの作品なのかなどは分かりませんが、掲載しておきたいと思います。


  ≪中央に聖母マリア≫

   ≪五右衛門風呂のような処刑?≫

    ≪中央にイエス・キリスト≫

   ≪中央右に聖母マリア≫

 この後に1Fのヨーロッパ絵画などを見学しました。なお、1階には、18世紀建造の「聖アルベルトの礼拝堂」もありますが、礼拝堂は見学しませんでした。


  ≪聖母マリア≫

  ≪イエス・キリスト像≫
 
  ≪中央の作品は聖母マリア≫

  ≪イエス・キリスト像≫

 このヨーロッパ絵画の中には、国立古美術館の説明で最初に申し上げたヒロエニムス・ボスの作品である「聖アントニウスの誘惑」がありますが、上の写真のようにマリアとキリストの絵画が多いことに驚いてしまいました。
 あまり知られていないようですが、この区画は、「目を奪われる華麗な場所」であるといわれていて、ヤーコブ・アドリア・エンス・バッカー、バルトロメ・ベルメホ、
ヒエロニムス・ボス、ピーテル・ブリューゲルなど多くの作品を収蔵しているそうです。

 この中で小生が知っている名前は、ピーテル・ブリューゲル(バベルの塔)ぐらいです。


≪聖アントニウスの誘惑≫

 この大きな画面が1500年から1505年頃の作とされているヒエロニムス・ボスの「聖アントニウスの誘惑」です。
 ヒエロニムス・ボスは、ルネサンス期のネールランド(フランドル)の画家だそうで、日本では、ヒエロニムス・ボッシュ(地球の歩き方)などと表記されています。

 「聖アントニウス」は3世紀の半ばにエジプトで生まれ、20歳の時にすべてをすてて、隠遁生活に入った人だそうです。とはいっても、小生のような凡人にはその心がサッパリ理解できませんが・・・。

 次に、この絵画の説明ですが、左パネルには2カ所に聖アントニウスの姿があり、その上空には蛙のような悪魔の使いにアントニウスが運ばれている。そして、下部には、悪魔からの攻撃を受けて瀕死のアントニウスが修道会の制服を着た修道士たちに担がれている姿だそうです。

 また、中央のパネルには、悪魔が宴会に興じる中で、アントニウスが右手を挙げて祝福のポーズをとっている姿だそうです。

 右のパネルでは、アントニウスは再び悪魔に誘拐され、赤い垂れ幕の下の木の中には裸の女性の姿があり、アントニウスは聖書を手にして目を逸らしているそうです。



  ≪剣先が女性に刺さっている?≫

    ≪中央に聖母マリア?≫

 次に、「聖母マリア」などの4枚と、その下の「剣先が女性に刺さっている」など2枚の写真ですが、どのような作品か分かりませんが、目を奪われる華麗な美しい絵画でしたので思わずシャッターを切ってしまいました。








次のページ(No.20)  前のページ(No.18) トップページ(No.1)









 このページ(No.19)は、リスボン市内観光(自由行動)を掲載しています。