No.13
「さぁ!いよいよ王宮ですよ!」と申し上げると、「ちょっと待った!」という声がかかりそうですね。
10ページに示した「アルファンブラ宮殿の見どころ」から考えますと、次は王宮ではなく、「城塞アルカサバ」ではないのか?という疑問がわくと思います。
ところが、残念ながらアルカサバではないのです。
「お前の勘違いではないのか?」という声が・・・でも、日本に帰ってから写真で見た「城を敵から守るために造られたという「あの」赤茶けた城塞」も、また、城塞の特徴である中央の「夜景の塔」もまったく記憶にないのです。そして、アルカサバの写真もビデオも一つもないのです。
ということで、王宮をご覧いただきましょう。
先ず、王宮の簡単な見取り図を作ってみました。
まず、図の右側、蔦が生い茂る入口付近の写真を見ていただきましょう。
蔦が生い茂る入口 |
入口の反対方向 |
観光客が最初に入る部屋は、「入口」と書いてあるように「メスアルの間」です。「裁きの部屋」という意味のようですが、かっては王座がおかれており、ここで王は陳情を受けたり、会議を行ったりしていたそうです。
この部屋だけではありませんが、イスラム建築を代表するような彩色タイルと漆喰細工や草花模様などのアラベスクといわれる装飾は、本当に美しいものです。これが床や壁、天井を覆っているのですから感激です。
でも、メスアルの間の天井は、レコンキスタでステンドグラスだったものが現在の木製(レバノン杉)の天井に変えられたそうで、誠に残念な限りです。
メスアルの間の天井 |
草花模様の腰壁 |
メスアルの間の奧には祈祷室(モスク)があり、この部屋の窓からはアルバイシンの白い家々が輝いているように見えました。この部屋を出ますと、真ん中に丸い小さな池がある中庭(金の中庭?)があります。建物に囲まれているため柔らかな光が注いでいて、壁面の繊細な装飾が一層美しく見えます。
メスアルの間の窓 |
メスアルの間の中庭 |
中庭の装飾 |
肝心な「メスアルの間」の全体がわかりにくい?!ごもっともですが、写真の腕の方がイマイチなものですから・・・ここまでがメスアル宮といわれるところです。
メスアル宮をでますと、次はあの有名な「天人花の中庭(パティオ)」で、ここからは「コマレス宮」といわれています。
コマレス宮は、第7代目と第8代目の王様(14世紀)により建設されたそうですから、こちらの方が新しい、ということになります。
ところで、天人花のことを「アラヤネス」というそうで、中庭の水路の両側に生け垣としてこの花木が植えられていることから「アラヤネスのペティオ」という名がついたそうです。
ヘネラリフェの「アセキアの中庭」よりも美しい?個人的は「アセキアの中庭」の方が美しい!と感じました。
南側の回廊とカルロス5世宮殿 |
北側の回廊とコマレスの塔 |
左側の写真に「カルロス5世宮殿」とありますが、正面の2階建ての回廊がある建物のことではなく、その後ろに見える大きな建物がカルロス5世宮殿です。ということは、平面図でいいますと、「アベンセラヘスの間」と書いてある辺りにカルロス5世宮殿がある、ということになります。
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